本当は暴走するのって悠の役割のはずなんだけど…
「どういう意味かしら。いつも変なことを言ってるのは紬じゃない。私は常に真面目で論理的よ。」
そのままの意味だよ。真面目に論理っぽく無茶苦茶な結論を出すから性質が悪いんだ。
とも、内容的に―基本理念的に私っぽいから、私が主役で話すね。
基本理念、まあこの場合は恋愛観っていうこっぱずかしい代物のことなんだけど―
うちにとって、恋心とか愛とか、そういうものって『友情の延長』に近いものなんだよ。
あぁ、いや、もちろん一目惚れっていうものがあるのは知ってるし、友人っていう過程をすっ飛ばす例を否定するつもりは(うち自身にそういう経験が無いから、実感がわかないのは置いといて)ないんだけど、仮令そうだとしても、恋できる相手っていうのは、少なくとも『友人関係』を続けられる相手だ、そう思うんだ。
つまり恋は友情の十分条件。
「以前から何度か聞いていて知ってるけど、相変わらず偏った考えよね。」
仕方ないだろ。うちの少ない(悲しいことに、少ない。)恋愛に関する記憶を最新(つまり数年単位で前)まで鑑みても、そうだったんだから。大体、うち、一目惚れしたことないし。
「この齢で一目惚れの経験が無いって、ちょっとどうなのよ。」
大抵のこと、特に感情的なことは20までに経験しないと以降も無いって聞くから、一生うちには関係ないかもね。
ともかく、うちにとって恋人は腹割って話せる相手、気を張らずにバカな話ができる相手。つまりは最低限友人でなきゃいけないんだよ。だから―
―だから、まず、『恋人が欲しい』『恋人を作る』っていう概念っていうか欲求っていうかが、わかんない。
「何を言ってるの?あなたは恋人や将来の伴侶が欲しくはないのかしら。」
いや、そういう人がいたらいい、っていう願望は当然あるさ…でもさ、たとえば『腹を割って話せる親友が欲しい』って思ったとして、『親友を作る』なんてできると思う?親友って、作ろうと思って作るもの?親友っていう肩書さえとりあえず当てられれば、それでいいようなもの?・・・・・・違うだろ。
「まずはお友達から、っていう言葉もあるじゃない。最終的に恋人になれたらいいな、という下心込みで片っ端から(数うちゃ当たるの理論で)友達になる、っていう意味で、『恋人を作る』じゃだめなのかしら。」
それなら賛成なんだけど…詭弁だよ、悠。今悠が言った『恋人を作る』はきっと世間一般での意味の『恋人を作る』じゃない。キミは最初っから恋仲になるべくのアプローチで友達を作りに行くのかい?違うでしょ。
(大体、友達を積極的に『造りに』行くっていう表現になんか違和感があるし。もちろん周囲の人と仲良くするのが間違いって意味じゃないよ、それをさらに超えた積極性っていうか…友達はナンパして造りはしないよね、って意味で。)
んでもって、おんなじ理由から『恋人だからえろぃことする』とかあと特に『えろぃことしたいから恋人が欲しい』とか言語道断。なんていうか、そういうのはさらに上位互換っていうか、こう、雰囲気ってかムードがマックスな何かっていうか…
「いくらなんでも幻想を持ち過ぎよ・・・さすがにその考えには賛成しかねるわ。」
ちょっとまてキサマ悠、なんか自分は常識的で普通的な感性の持ち主っぽくふるまってるように見えるけど、アンタが反対してるのは後半だけで、前半についてはうちと一緒だしょうが!
―いや、一緒と言いたくないけど。『恋人』と『ドキドキする…っていうかえろぃことを考える相手』は『完全に別』ってどう考えても異常だろ、異常な価値観でしょ!?確かに『エロス≠恋人』で『ムードとかはどうでもいい』っていう考え方だけどさぁ!?
「説明的なセリフをどうも。何よ、ずっと一緒にいたい相手としての恋人だったら、楽しく話せさえすれば容姿体格一切問わないっていう、非常に先進的且つ論理的で、何より崇高な理念じゃない。噛みつかれなくて一緒に居たいと思える性格だったらゾンビですらいいわよ。キスとかする相手は別の人間でしょうけど。」
いや、だから、ひどいよね、無茶苦茶だよね、その理屈…って、今回はうちが暴走する番なんだ!前置きはこのくらいにして本題に入るよ!
「え?前置きだったの?
―さすがに長すぎでしょうに。」
まぁ、そういうわけで、うちにとっては 『恋人』 ならば 『友人』
つまり恋人は、少なくとも友人としてやっていける人間、ってことなんだけど…
だからうちの好きな属性が『(気の強い)友人』やら『ツンデレ』でもあるのかな、まぁ。
「長い前置きが3行で済んだわね。」
うっさい。
だけど、ここに一つ、よく言われる仮定っていうか原理っていうかを持ち込むと、おかしなことになるんだよね。
『異性間で友情は成立しない』って。まぁ、私がそう思っているかは置いといて、この仮定を置くと、
・恋人は少なくとも友人たりえなければいけない
・友人は異性ではありえない、つまり同性である
・ゆえに恋人は少なくとも同性でないといけない
っていう謎の三段論法が成立するじゃない?つまり―
―『百合ゲーが最も楽しい』!!!
「最後に―四段目になにがあったの!?」
あぁ、いや、もうちょっと真面目に話そうと思ったんだよ?うち自身は別段同性愛者であるつもりはないし、っていうか普通に異性が好きだからってか同性とラブラブしてるとこなんて想像できないし、きっと私の基本理念か仮定が間違ってるんだけど、もし両方、つまり三段論法の結果が正しいとするとさ。
・恋人として成立するのは同性のみである
・故に(友人の延長としての)恋人として、同性はむしろ健全
・ところで、ADVやるときの話なんだけど。。。
・この理論だと、『百合ゲー』か『BLゲー』が正しい恋愛シュミレーションになるよね?
・はてさて、どっちをするのがこの場合いいんだろう。やま、両方でもいいんだけど。
・主人公に感情移入できるほうを優先、つまり主人公が同性なほうにするか?
・相手を好きになれることを前提に、つまり攻略対象が異性なほうにするか?
―はたして、どちらが恋愛シュミレーションとしてより適切なのか、みたいな。
あるいは百合なりBLなりが決定したとしても、普通に異性が同性愛を書いたものにすべきか、同性が同性愛を書いたものに(いや、そんなの少ない気がするけど。)すべきか、とかね。
(これはちょっと説明が分かりにくいかも。つまり、普通は『同性愛してるのを見て萌える』のを目的に遊ぶんだろうけど、『同性愛を文字通りシュミレーションする』んだったら、登場人物と同じ性別の人が書いた心理描写じゃないと、シュミレーションにならないんじゃないか、みたいな。)
―とかまぁ、いろいろ考えたんだけど、考えが迷走してる感があったっていうか…当初の思索の目的とずれを感じたっていうか…どうでもよすぎることを考えてる気がしてきたっていうか?
「・・・結局、単なるモノグサじゃない。」
ち、ちがうよ?? (;一_一)→ 明後日の方向
まぁ、そういうわけで、考えも変に煮詰まっちゃったし。この前感想で書いた『彼女と彼女と(ry』がこうあまりにも友人の延長な恋っていうかストライクっていうかともかく面白かったので、もう結論はここにとばしていいかなーって。そういえば、アレのヒロインは『気が強いツンデレな百合の友人』だったなぁ。
「面倒だからって、結論を以前話したゲームの賛美に持っていかなくても。
…ねぇ、アナタ、なにか、怪しい方向に飛んで行ってないかしら。」
ん、ああ、大丈夫大丈夫。たぶん他の百合ゲーは肌に合わないだろうって言えると思うから。
「なんなのよ、その根拠のない断言。」
他のジャンルと同じ理屈で、多分レアケースなんだよ…コミケ行ってもオリジナルやノーマルな二次創作が少ない理由っていうかなんて言うか…まぁ、そっちはまた今度、っていうことで。
むむ。もうちょっと論説にしたかったんだけど、なんていうかグダグダで有耶無耶な結論になっちゃったなぁ。
「話し方が演繹的だからそうなるのよ。ゴール地点くらい決めて話なさいな。」
[0回]
PR