や、しぇいむおんが終わったから、次なるフリーゲームを探したらこうなりました、まる。
「どこをどう間違ったらそうなるのよ!少なくともほかにもいろいろあったんじゃないの!?」
んー、私の検索能力が低かったとしか…?
「そもそもADVにこだわる必要が無いじゃない。」
いや、そこは必要があるんだよ。アクションはまず苦手だし、他のジャンルだとクリアまでのめりこんじゃって息抜きのレベルを超えちゃうんだ。だから『本』程度の必要があるの。そういうわけでADV。まぁ、前置きはこのくらいにして感想いっくよー!
まず、全体っていうかできのはなしだけど…正直、なぜこれがフリーゲームなのかわかんない。
「そのこころは?」
そのまんまの意味だね。シナリオについて一切考えなくても、このシステム周りでこの絵の品質でエフェクトとかOPとかフルボイスとかで考えて、フリーゲームだっていうことに理不尽すら感じる、そういうレベル。特に、システム周りに関しては有料ですらひどいのが時々あるんだから…確実に数千円払える価値があるよ。同人のADVに関してはあんまり詳しくないけど…有料の同人ADVってこんなにクオリティが高い世界なの?っていう感じ。
「確かに…以前やった二つと比べても、(発表年度が後、ということは多少はあるでしょうが)桁違いな品質だったわね。」
うん。少なくともシナリオとか全ブッチしてでもこのOP見てシステム画面をカチカチしてエフェクト見てるだけでも幸せになれるレベル。とりあえず、DLして起動しなきゃ損してる、みたいな。
「システム触るだけで幸せな人種はそんなに多くないと思うけど。
で、肝心のシナリオはどうなのよ。言っちゃ悪いけど、その…ジャンル通り『ガチ百合ゲー』なんでしょう?ニッチだし、そっちの趣味の人しか楽しめないような内容なのでなくて?」
確かに『ガチ百合』って銘打ってるだけあって、そういうことしてるシーンはあるよ。っていうか、のっけから半分そんなシーンだし。ただ、これはそんな浅い話じゃなかった、と思う。そういうシーンが苦手な人でも、(っていうか私も苦手なんだけど。)そこをスキップしてでも話を読むことをお勧めできるゲームだと思ったね。ああ、もちろん百合って言葉を聞くだけで怖気るような人に勧めはしないけどさ。
「随分とべた褒めじゃない。」
うん、べた褒めだね。単純にシナリオライターの人の文章とうちが波長があっただけなのかもしれないけど、シナリオ展開上で感じる違和感みたいなのが、今までで最もなかった。
「じゃあ、そろそろシナリオ自体のことを話してもらおうかしら。どういった話なの?いわゆる萌えゲー然とした話なのかしら。」
否だね。登場人物は皆いいキャラしてるけど、話の筋としては『主人公の成長』が柱なんだと思う。主人公が、悩みながらも自信と自身を獲得していく、そんな話。
「萌えやらエロやらを主体にしたものでなく、ちゃんと(といっていいのかしら?)『話』なのね。」
いぐざくとりー。
ギミックとしては似非SF、似非魔法科学が使われるのかな。まぁ、これは主人公の、子から親への葛藤を描くための単なるギミックだと思うから説明は省略。作中でも触れられるけど、答えを完全に出せないなりに葛藤し続けて、最後には確固ではないけれど自信を見つけるっていうのが根幹の話なのだと思う。
何がいいって、主人公は悩むんだけど、決してうじうじしている訳じゃなくって、お花畑な悩みをしてるわけでもないってことなんだよ。立ち止まっていた主人公が立ち止まることを辞めた、そこからくる葛藤、その瞬間を描いてて、それの思考に追従して読んでいくから楽しい。
加えて、その対比として確固たるモノを持った人としてヒロインがいるんだけど、それを持ってるからって葛藤が無いわけではないんだよね。そういうのも一緒に描かれているから、そんなに長い話じゃないはずなのに長い物を読み切ったときと同じくらいの感動っていうのかな、心動くものがあったね。
「なんだか、感想が堅苦しいわね。らしくないわ。」
うん、うちもそう思ってたところなので……そろそろ普通のノリで感想するよ!
キャラ萌えじゃないって言ったばかりだが、あれは嘘だ。皆マジ萌える。
「・・・」
ああ、いや、別にあざとく萌えを狙ったキャラばっかりだって言ってるわけじゃなくってね?さっき言ったみたいな描写がきちんとあったうえで魅力的なキャラクターばかりだ、って言いたかったんだよ、ホント。
特にヒロインに関してはそれが顕著だね。彼女を一言で表すなら、『カッコイイ』だ。それも、表面的にある会長然としたものだけじゃなくって、葛藤しながらも自信に従う生き様がカッコイイ。
んでもって、それを置いといてみんないいキャラしてる。とくに変態が変態変態してるのが笑える。いや、誉めてるんだよ。
「(カンペを参照する)どM且つ元気系な主人公、どSでお気遣いの紳士なヒロイン、Sなあらあらうふふ系変態、小動物系、達観してるMないい子、傍若無人系母、どMツンデレ悪魔…確かにキャラキャラしてるわね。なんだか一部キャラかぶりがいるような気がするけれど…?」
ヒロインが中心に回ってる話だからMばっかなのは気にしない方向性で。
「そろそろ終わりましょうか。何か最後に言いたいことは?」
一瞬百合に目覚めかけました。
「…なんなのよ、それ。」
正確には(さっきも言ったけど)ライターさんの、なんかこういろいろと理想してる感じに波長が合ったっていうか…『運命の出会い』じゃなくって、『友情(日常)の延長としての恋愛』っていうのが、たぶん私の理想なんだよ。それで、そういう観点から展開とか心理描写が進んでいくから、結果話の流れでほとんど違和感が無かったっていうか…。今までにやってたゲームだと、どうしてもそういうシーンでそこの違和感から読み進めようという気が止まっちゃう(そして積みゲーと化す)っていうのがパターンだったけど、今回はそういう違和感をほとんど感じなかったって言うかなんていうか。描写としてそもそも苦手だっていうのは残ってるけど、話の展開そのものとして違和感を感じなかったっていうか。ゆえに一瞬自分が百合萌え属性なのかと勘違いした、みたいな?
「勘違いじゃなくて、もともとそういう趣味という可能性はないのかしら。」
違うと思うけどなぁ。あくまで『女の子同士がいちゃいちゃしてる』のを自然に感じたんじゃなくって、この人の考える展開に対して自然に思っただけだね。
そういう意味で、友情の延長な恋みたいな展開が好きな人(幼馴染萌えとかがあたるのかなぁ。)にはよりおすすめできるかも。
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