「あー、だめね。ダメくないけど全然ダメよ。滅裂だわ。」

　滅裂なのはアンタの台詞だアンタの。

◆◆◆◆

　いいかげん、片方が変なことを口走って、もう一人が聞き返すっていうパターンにマンネリズムを感じるのだけど。

「仕方ないわね。脳みそに引き出しがないものね。コミュ力不足ね。反省すべきよ。」

　いつも以上にバグってるな。

「『葛藤』それが今回の鍵よ。つまり私は混乱はしていないけれども二反背立しているわ。弁証法では反対の意見を統合して新たな高みに論理を導くけれども、果たして結論を出すのは正しいことなのかしら？確かに確かに、私の役割は混沌とした石花の思考に指向を持たせるために存在しているわ。つまり、なにかしらの試行を嗜好して、なんらかの結論を説明として施行するのが至高の役割よ。感情や感覚に志向を与えるのが大半ね。彼は積み上げたものしか理解できないから。弁証法じゃなくてひたすらに演繹法ね。あら？弁証法って演繹的だったかしら？」

　経験者として語るけど、変なしゃべり方してるとあとで恥ずかしいよ？

「いいのよ、なぜか現在の池内悠の出力はこのようにしか変換されないから。」

　まぁいいや、とりあえずあたしゃ、あうふへーべんなんて知らないよ。さっさと続きを喋れ、聞き流すから。

「そうね。どうせ知識は一緒なのだから聞いた方がブタノケツよ。自分にバカと言ったら、一体ダレがダラなのかしら。兎も角、合弁しないことが重要ではないかと伺候したいのよ。今、二つの意見が、いえ気分が混在しているわ。正確にはバージョン１にバージョン２がリリースされたけれど新バージョンは未だ動作が不安定故に現行バージョンの方が結局使いやすいのではないか、いやその認識は誤りであり、世界が広がったが広がった世界は正しいが魅力が足りないだけなのです。より正確には新しい世界という名の論理の道は整いましたがそれに感情の整理という通行許可証が発行途中なのです、しかし、外の世界は果たしてより正しいのか？新たな出会いは常に正義なのか？否です。いいえ、否と断言すらしてはいけないのではないのしょうか。つまり疑念はここにあります。今までの結論は『新しい物が正しい』『旧い物が正しい』そして割と新しい結論ですら『両方正しい』でした。しかしながら、なぜ『新も旧も正しいが両方正しいのかどうかわからない』これが結論にはなりえないのでしょうか（そう、両方正しい、より正確には新しい方が優れていそうな予測は立っているの。けれどもどちらかに確定してはいけなくて、両方の肯定も正しくないの。）？」

　あー、意味はわかんないけどなんか多少はバグが直ってきたみたいね。多少キャラ付の思惑が透けてきた。

「混沌に論理を与える役割は不十分よ、次があるわ。つまり混沌で構わないという論理を確定する役割ね！」

　はいはい、勝手に納得いってなにより。

「んー、ダメね。最初のカオスな感じで……並行した直線を１つに落とした感じで続けたかったけれど、途中から多少混乱してるだけの一本道な私に戻ってしまったわ。」

　なんなんだよ……。厨二病で恥ずかしい感じのキャラは私の専売特許のはずなのに、これじゃあ私の立ち位置がどんどん怪しくなっていくじゃないか……。ここのところツッコミも私の役割になってるし、萌えな話の暴走も悠にやられてるし……！

「そもそもの発端は、面白そうだからと私にゲームの感想を喋らせたことにあるじゃない。自業自得よ。」

　そーやけどさぁ。もう少し自重して私に出番をくれてもいいと思うんだよなぁ。
　

◆◆◆◆

　で、結局なんだったの？

「苦手に対して理由を論理的に叙述して、それに対して反論を行うのが常だったわ。けれども、苦手は苦手のままでもいいと思わないかしら？苦手でない状態はどちらかというと正しいという結論を出した上で、苦手でない状態に価値を認めたうえで、尚且つ苦手でいてもよいということを直感に見たの。だから、それを論理にするのも私の役割なのよ。」

　あぁ、エロシーンが苦手なのはおかしいし、このゲームはシーンをCtrlスキップすべきじゃない、むしろそのシーンにも萌えが凝縮されていると気付いた、けどやっぱ苦手だからスキップしたいってか。

「言葉を修飾して婉曲にするのは、より正しい意味に近づけるためなのよ？」

　え？『苦手』って単語を使うとニュアンスがずれるって？些末な差じゃない。

「違うわ！異なるのよ！正しいと正しくないが同居して、且つ片方だけを見ているの！」

　なに？アレは萌えの描写シーンであってエロシーンではない？っていうかやっぱりラブでエロは無理？ラブでエロいのはまだ理解できないけれどこのシーンが萌えでラブなのまでは理解したって？何を言ってるんだ、ラブいシーンだという理解が抽出できるエロシーンはラブでエロいシーンなんだろ。

「違うわよ！ラブからの派生だという業はやはり理解できないけれど、このシーンの描写そのものにはラブを理解した、と言ってるだけだわ。全然違うじゃない。」

　『愛を提示する行為の延長としてのエロシーン』と『分類上エロシーンだけどそこに重ねられた描写から抽出した愛』？自分で定義して違うって言われてもなぁ。

◆◆◆◆

　……いくらマンネリ化したと言っても、今回のは無いだろ。悠の台詞を読む意味が無いし、私の台詞を読んでも意味が分かんないよ。私の訳が訳になってない。

「そもそも構造が『片方が意味不明なことを言ってもう一方が反応する』のままよね。」

◆◆◆◆

「先輩のルート終盤の悪夢のまなみちゃん超かわいいわ。」

　折角〆たのに。。。
　
「何よ、少しは先輩ルートの感想を入れようと思っただけじゃない。」

　先輩の感想しゃべれよ！このシ〇コン！

「私はシス〇ンじゃなくて妹キャラ萌えだと何度言えば分かるのよ。ともかく、あのシーンは多分主人公の想定しうる中で最悪な他人からの評価なのだと思うけれど、そんな悪夢な状況の中、他４人は主人公に対して『嫌い』っていってるのにまなみちゃんは『今のうちにラブいことしよう』なのよ！！悪夢ですらブレないまなみちゃんマジかわいいわ。」

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