ぶっちゃけ、『ハマのメリーさん』については先週初めて知りましたの。っていうか、それ、都市伝説じゃなくてただの実話ジャマイカ。
「どうも、元ネタ(の一つ?)ではあるらしいけれどね。」
まぁ、ともかく。ここは電話系の怪談、『メリーさん』についての話だよ。
おそらくもっとも愛されている都市伝説の一つ、メリーさん。すっごく『ネタ的な』改変が多いんよ。
「ネタ的…二次創作やら、萌え改変ということね。」
そそ。今更私が改めて書くまでもないくらいに有名な萌え改変とかが多いの。理由としてはそのオチが非常にあいまいなことがあるかなぁ。
「あいまい…終わり方が多岐にわたるのかしら?」
や、メリーさんの怪談自体はバリエーションが無いっていうか、定型ができあがってるんだよ。ただ、その決め台詞がちょっと突っ込みどころなんだ。
「決め台詞…口裂け女の『私、綺麗?』やつんで霊の『しねばよかったのに』みたいなやつのことね。」
うん。ツンデ霊のそれも突っ込みどころな決め台詞だよねー。
まぁ、ともかく始めようか。
『友達の友達から聞いた話なんだけど…』
『引っ越した時に、前の人のものが残ってることって、ないかな。普通は出ていくときに気づきそうなものだけど、家具付きのお部屋だったりすると、時々その隙間なんかから物がでてきたりするよね。。大抵捨てちゃうんだけどさ。』
『進学のために上京してきたKさんも、空のはずのクローゼットにお人形が入ってるのに気づいてさ、やっぱり捨てちゃったわけ。だって人形だよ人形。まぁ、わりとよくできたフランス人形だったらしいけど…なんか気味が悪いじゃん?すぐにゴミに出したわけ。』
『で、Kさんはそのあとは荷解きをして、10時くらいにようやく終わってもう疲れたっていって寝ようとしたんだけど。突然ケータイに電話がかかってきたんだよ。』
『着信相手は非通知で気味が悪かったんだけど、鳴りっぱなしでウザったいからとりあえずとったんだよ。そしたらさ、女の人の声で』
「あたし、メリーさん。どうして捨てたの?」
『って言って、切れたの。なんなんだって思ってたらすぐにまた鳴って、次は』
「あたし、メリーさん。今三丁目のゴミ捨て場にいるの…」
『切れたと思ったら、またすぐにかかってくる。』
「あたし、メリーさん。今二丁目にいるの。」
「あたし、メリーさん。今一丁目についたわ。」
「あたし、メリーさん。見えるかしら、今あなたのおうちから三番目の電柱よ」
『だんだん、居場所が近くなってきてる。外を見ると、たしかに言われた場所に何かいるような…』
「あたし、メリーさん。今あなたのアパートの前よ。」
『怖くなって、ケータイの電源を切るのだけれど。』
「あたし、メリーさん。今一階よ。」
『勝手に、ケータイから声が聞こえてきて。』
「あたし、メリーさん。今二階よ。」
「あたし、メリーさん。今三階に着いたわ。」
『ついには自分の住んでいる階に。そして…』
「あたし、メリーさん。今あなたの部屋の前よ。ねぇ、空けて頂戴?」
『もちろん扉を開けたりなんてできっこないさ。恐怖で震えながら一秒か一分か一時間か。ともかく、しばらくたった後にまた電話がなったんだ。』
「あたし、メリーさん。どうして空けてくれなかったの…?でも、まぁいいわ。」
『あたし、メリーさん。今あなたの後ろにいるの。』
初期のころは、確か被害者が自分で扉を開けるけどいなくって、後ろから声が聞こえるってパターンだったみたいだけど、今は開けなくても後ろに出現するっていうパターンが主流だね。まぁ、殺し文句は変わってなくて、『今あなたの後ろにいるの』だよ。
「なんていうか…理不尽ね。」
口裂け女やテケテケと違って、物理的でないっていうか、より怪異らしいっていうか、そんな恐怖。
特徴を挙げるとしたら、
・被害者がどうなるかが(大抵)言及されない
・対抗神話が無い
ことかなぁ。
「あら、Kさんはなんの被害にもあっていないの?」
というよりも、『今あなたの後ろにいるの』で話を終わらせることでの余韻とかで恐怖を感じさせるのが目的だから、文章の性質上どんな被害にあうかは描写できないんだよね。まぁ、それでも『多分このあと首を絞められたりするんじゃないか』みたいなことは感じてもらえると思う。
「確かになにか恐ろしいことをされる予感はあったわね。
対抗神話がない、というのはなぜかしら。確か、有名であるほど対抗神話はできやすいのよね?」
それについては、まずそもそも遭遇のしようがないってことがあるんじゃないかな。導入をみればわかるように、ことの発端は『置いてあった人形を捨てた』こと。だから、『引っ越し先に謎の人形を見つけ』てなおかつそれを『捨て』ないと遭遇できないの。。
そういう意味ではこの話は異色だねぇ、なんだかんだで、大抵の都市伝説は特定の場所に関わっていたり、何か簡単な儀式で呼び出せたり、ランダムに襲ってくる設定だったりで『どうにかして遭遇する方法がある』ものなんだけど。
「最初から対抗策が用意されているようなものなのね。」
はい、かたっくるしー話はここでおしまい。
もひとつ、対抗神話が無い理由なんだけど…正確に言うと対抗神話はあるんだけど、こともあろうにそれらは(ほぼ)すべて萌え改変なんだよね♪いやぁ、みんな好きだね。ゴスロリ美少女。
「今更だけど、どのあたりに美少女設定があったかしら。」
え?お人形さんみたいな女の子だよ?美人に決まってるじゃん?
「みたい、というよりそのものよね。」
ていうか自立行動して魔法が使える喋るお人形さんがやってくるなんてそれなんて薔薇乙女。ゴスロリ!美少女!お人形!どう考えても萌え設定じゃん。
「騙されている気もするけれど…確かに、状況だけ考えれば『空から女の子が降ってきた』のとあまり変わらないのかしら??」
そういうわけで萌え改変が多いのですよ。あんましかくとただのウィキペ先生のコピペになっちゃいそうだけど…っていうかうぃきれ。
・そのまま何事もなく同居
・壁を背にして座っていたので、背後から『むぎゅっ』というかわゅぃ声が
・超高層ビルに住んでいたのでメリーさん疲れる。あわよくばもらす。最終的に話者は屋上からヘリで逃走
・部屋の前まで来たあと、そのまま通過して遠ざかっていく
・話者が超鈍感なため、意に介さず外出する。メリーさん無視されて半泣きで追いかける
とかかな。基本的に、『失敗するゴスロリ幼女、萌え。』っていうパターン。一応解説もどきを入れると
・一つ目はオチの後が言及されてないことを利用
・二つ目、一番の突っ込みどころ。『うしろにいようにもいれない場合は?』
・三つ目、律儀に現在地を連絡するところを逆手に取った改変
・四つ目、ジョーク的な改変。華麗にする―。
・五つ目、ある意味お約束の意に介さないオチ。半泣き幼女!
みたいな。大体、お人形さんみたいな幼女がやってきてなんかされるっていわれても、恐怖感ゼロだよねー。
「さっきから幼女幼女連呼しすぎよ。。」
とも、かまってオーラを出してていっつも後ろをついてきて隙あらば抱きついてくるケータイっこのゴスロリ幼女とかマジただの説明不要な萌えキャラの設定だよね。メリーさん超かわいい!
ええっと、厨二病な発想で行くと
・スピーカーに類するものが存在すれば、たとえ電源が切られていようが壊れていようが問答無用でジャック可能
・『現在地を連絡し続ける』ことで『どんな障害物も無視して』一定速度で距離を詰めることができる
っていう結構かっこいい能力だよね。
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