「ちょっとなんだか苛々したので、良い機会だし少し話すけれど、苛めって解決しようがないと思うのよ。」
うわ、ひっどい意見。努力義務だしょ、それ。つーか、周りが解決してやろうとしなきゃどうしようもないじゃないか。
「ああ…そういう意味でなくてね。苛める側はもちろん断罪されるべきで、っていうかムショに入るべきだとまで思うし、そもそも苛めるな、ということは声を大にして、私も主張するわよ。周囲も、特に学校は最大限以上に解決に尽力すべきだわ。自殺との因果関係は云々言うようなセンコーはさっさと自決よね。」
「そうでなくて。苛められている側が、どうにかして独力で解決しようとするならば。相手を、苛めている側を、凶器で…殺害可能な攻撃力で攻撃する以外に、解決方法が無いと思うの。」
いや、自殺と殺す以外に普通に解決策はあると思うけど…
「どうしてかしら。大体、殺傷力が無いにも関わらず複数人相手に効果がある、一撃で相手を沈められる武器なんて、小中学生が入手できるわけないじゃない。」
いや、だからね?どうしてこう、発想が一撃必殺とか武器とかしかないのさ!零崎の読み過ぎじゃないか。
「どうしてもこうしても、単純に。相手に勝つためには相手より攻撃力が少しでいいから上回る必要があるからじゃない。」
どうして『少し』上回っただけで凶器に変化するかが分からないよ。大体、虐めの被害って、教師にばれないレベルの被害と攻撃だよね。取り締まるかどうか難しい、じゃれてるのか苛めてるのかが難しい。そういった、どうしようもないくらい『弱い』攻撃じゃないか。
「ええ、『弱い』でいられる、ギリギリの攻撃だから最悪で厄介なんじゃないの。だから、苛めてる側は『ルール内』にいるのよ。苛めている側と同じことをするならこちらもルール内だけれど、少しでも超過したら『ルール外』になるような、そんな範囲なのよ。胸糞悪いけれど、あっちはルール内で悪事を働いているだけだから、こちらがちょっとでも相手より強い『仕返し』をしたら、それは『ルール外』だから、こっちが、苛められている側が悪になってしまうわ。じゃあ、どう転んでも悪なら、禍根を断つためにも、『悪扱いされてしまったにもかかわらず苛められ続ける』ことを防ぐには、『一撃必殺』しかないじゃない。」
なんなんだその暴論。同じこと仕返しても効果は(こちらはひとりなので)薄いけど、少し強く返したらこっちが『悪』にされるから、どーせ悪なら再起不能にするだってか。自暴自棄なやけっぱちにもほどがあるよ。
「甘いわね、もっと悪いわ。こっちが『悪』なら、つまり先に手を出したのが『こっち』扱いにされてしまう以上、相手がさらに『こちらと同じこと』をしてきたら、それは『正当防衛』なのよ。要は『一発殴ったら』『正当な手続きにのっとって』『10発殴られる』のよ。じゃあ、10発殴られないには?そう。全滅よ、必滅よ。」
いや、だから、ルール内で反撃すればいいじゃないか。先生に相談したり。
「なにその意味なし行動。」
え、や。だから、相談。
「あくまでも、苛める側は『見えないように』『ルール内ギリギリの弱さで』やってるのよ?そもそも注意できないし、仮に注意してしまったらもっと不可視の苛め方に変えるに決まってるじゃない。」
さすがにその考えは学校側に信頼無くない??
「もちろん、すべての先生が悪いなんて思っていないけれど…けれど、大人の側からできることに限りがあるのは事実ね。」
っていうか、『ルール内』で普通にぶん殴ればいいじゃん。喧嘩程度のレベルで。
「ぶん殴るがルール内に入っているかは微妙だけれど…仮に、喧嘩ならルール内としましょうか。で、どうやって集団に一人で勝つのよ。」
いや、集団は無理だろうから…どうにか一対一に…
「あら、ちょっと時間ね。あとで書き足すことにしましょうか。」
いいの?このノリで放置して。『いいから包丁持って突撃しよう』って言ってるようにしか聞こえないんだけど。
「一応述べておくと、この議論の結論としては『ともかくICレコーダーかなにかで言質をとって撃退しましょう。間違っても凶器なんか使っちゃいけませんよ?』とするつもりです。まぁ、『喧嘩』で勝ちうる手段は凶器以外ないとは思っているのだけれど…。私、非暴力主義ですもの。」
どうせぶん投げるなら、せめて途中の要約とか言っとかない?
「ええと・・・でしたら・・」
・一対一が成功しても、一人倒した時点で、残り全員にフルボッコよね
・一対一なら、凶器はギリ不要かしら。
・どんな強力な凶器でも、一対多数で、全滅させることは不可能よね
・故に戦意を喪失させる以外には、一対多数で勝利する方法はないわ
・つまり、『抵抗するだけ無駄』『見ただけで戦意が失せる』ような武器よ。
・付け加えるなら、『奪われて逆に使われる』ことが絶対あってはならないわね。スタンガンなんて最悪よ。
・まあ、相手からして、『使えない』っていうのは『大けがをさせてしまう』ものよね。つまりは凶器よ。
・ああ、相手はあくまで覚悟なんてなく『ルール内』にいるつもりでしょうよ。チキンですから。
・でも、そもそも『一対多数』であることが間違いよね。多数対多数ならば、凶器なんて不要、平和よ。
・どうしてこちらが1なのかしら?決まってるわね。
・『絶対に味方にならない』という意思を表示してる『見て見ぬふりの傍観者』しかいないからよ。
・見てただけ?ざけんなですわよ。立派な加害者じゃない。
・仮に本当に凶器沙汰になったら、それこそ傍観者も等しくその責を負うべきだわ。
・まあ、何が言いたいかって。『物理的手段はとるな』と言ってるのよ。
・いじめを回避するのに殺人を犯すなんてコストパフォーマンスが悪すぎるわ。
・大体、本気で一撃必殺する気じゃないと、凶器アリでも返り討ちがオチだわ。
・じゃあどうしましょうって?『奪われても問題ない』『ルール内』『戦意を喪失させる』そんな武器が必要よ。
・忘れちゃいけないのが…相手が『ルール内』なのは、ギリギリばれてない、グレーゾーンだからよ。
・要は白日に晒せばおしまいよね。
・どうやって晒すか?今のご時世、録音機撮影機、いくらでも小型のものが売ってるじゃない。キワモノ屋で。
・重要なのは…誰に見せるか、ね。
・できれば、まずは『理性的な』父親か祖父に。該当無しなら…
・教師に見せるときは、信頼できる教師ならいいけれど、そうでないなら『見せた』ことを確定させなさい。
・取り合ってもらえなかったら、『見せたという証拠』とともにもっと偉い先生に、校長か何かに見せるの。
・見せた証拠?ああ、簡単ね。教師との会話を録音するのよ。ばれないように。
「・・・って、何話してるのかしら。ばからしくなってきたわ。前半はともかく、後半の対策なんて理想論の付け焼刃にもほどがあるじゃない。厨二病がすぎるわ。」
だいたい、これ、ハブリ系の虐めの対策になんないよね。何もされないんだもの。
「一番良いのは『抑止力』を手に入れることなのだけど。要は、『こいつに関わると危ない面倒』。」
「っていうか、まぁそれでも。私の言った凶器でしか対処不可能っていうのはそこまで間違っていないはずなのよ。」
・・・それって、どうしようもないっていってるようなもんじゃないか。
「違うわ。私が言いたいのは。」
『今現在、虐めを行っている人は、その「遊び」の対象、その子から、いつ殺されてもおかしくないわよ』
「と言いたいの。いいかしら。自分たちが行ってるのが『弱い』攻撃だから、反撃はそれより少し強いくらい、反撃されても押さえつけてフルボッコにできると思ってないかしら。違うわ。多数対一で苛めているとき、反撃があり得るときたら一撃必殺の即死レベル以外に有効打はないし、それしかありえないわ。と言いたいの。」
結論、そこ?絶対いじめっ子はこんなとこ見てないはずだけど。
「ええ。だから最初に言ったじゃない。(もともとそのうちこういうことは書くはずでしたけれど)苛々して書いただけです、って。」
うー。こんなこと喋ってると私まで危ない人っぽいじゃないかー。大体、悠はいつも危険思想で極端すぎるんだよ。
「何よ、なにか間違ったこと言ったかしら」
間違ってるよ、過激すぎるよ。や、証拠云々の方針はできるかは置いといてありだろうけど。
「じゃあ、あなたならどうするのよ。」
HAHAHA.それこそくだらない。そんなくだらない相手、無視すればいいじゃない。
「軽口をたたく場面でないと思うわよ。」
いやいや、そもそもさ。虐めをするような、つるんで虐めをするような愚かな人間、頭が良いはずないだろうさ。
「どうかしら…で、そうだとしたらどうなのよ。」
単純。高校の進学先を、自分のいる都道府県のトップ校にすればいいだけさ。少なくとも、そこには話の通じない愚かな人間なんていないよ。
「はん、それこそ根拠なしの怪しい意見ね。」
どうかな。そうかもね。でも・・・渦中にいる間は絶対そうは思えないだろうけど…それでも、なにかの漫画で言っていたけど、『長くて3年』なんだよ。
「三年もウザったいのに付きまとわれるのはいやよ。」
そうだね。でも、学校にいる時間なんて、所詮一日の1/3さね。授業中と家庭は安全さね。もしも授業中や家庭が安全でなかったら?そんなの教師と親が悪いよ。そして、いじめっ子を蹴落とすよりも大人を蹴落とすほうが簡単さね。
「あんたのほうが、考えたとしてタチが悪いと思うわ…」
「しかし…どうしてわたしはこんなことを喋っていたのかしら?喋ろうと思ったのかしら。」
うちに聞くな!!
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