「はてさて。結局、ここ数日で10冊以上は読んだはずですけれど、読んだ作家は二人なのよね。」
それって、見分を深めるとかそういう意味ではあんまり効果がなさそうだね。
「そんな効果を期待するなら実用書なり論説文なり、実態はよくわからない純文学とやらなりを読めばいいのよ。私はあくまで暇つぶしなの。」
モンハンしようぜ!
「反射神経が絶無なので却下。」
じゃあ、一日中ごろごろしてよーよ。人間は寝るために起きているんだから。
「潰せる暇があるのなら潰さないと気持ちが悪いわ。もちろん、私はプチプチ君があったら一つずつ丁寧に滅殺するわよ・・・って、いい加減、話を進めていいかしら。」
ああ、そだった。結局、だれの感想を書くんだい?
「今更私が書くまでもないし、言わなくてもわかるでしょうし私は俄に違いないけれど、それでもやはり心動いたから感想を言うわ。結局11冊、いえ、13冊読んだのかしら。稀代の天才、有名人。西尾維新の感想よ。」
えーっと、あれでしょ、メダカボックスの原作の人でしょ。
「…面倒ですから、突っ込み説明その他もろもろ省くわよ。まぁ、書くことはそんなにないわ。言うべきことは単純にこれだけ、『戯言シリーズを読んだ』これで感想は終わるし、伝わるでしょう。」
なにかっこつけてんのさ。厨二病がぶり返して再発した?それのどこが感想だよ。ただの事実じゃないか。
「そんなことを言われても、ねえ。西尾維新を読んだ、というのはきっとそれだけで共通に起きる衝撃でしょうし。『読めばわかる』わよ。」
それをなんとか説明するのが感想なんじゃないのかよ。いやまあ、すべての感想が基本的に『面白かった』しかないわたしが言うことじゃないけどさ。
「それは、まぁ、例示しようと思えばいくらでも挙げられるわよ。その衝撃は。その経験したことのない言葉の回し方だったり、ハッタリにハッタリが重なって事実に見えてくる様だったり、うだうだとうなっているだけのはずなのになぜか不快感無く読めてしまう心理描写だか自分語りだかだったり。でも、きっとそんなことを並べるのは些末なことなのよ。」
単純に、ここしばらくまともな本を読んでないからびっくりしただけじゃないん。
「いえ、これは全然まともな本じゃないわよ。まぁ、まともな本だったとして、今のご時世まともな本が書けるということはすでに才能だと思うけれど。」
わたしは…うーん、微分っていうか、読んでる間の楽しさはわかるけど、なんだか死にすぎな感じがするな。
「いちいち人が死んで大げさに盛り立てるのもおかしいでしょうが。」
いや、そうなんだけどそうじゃなくてね?結局話全体で何がしたかったのかよくわかんないっていうか、死んだ人の死んだ意味があんまりわかんないっていうか、いや、ミステリで人が死ぬのは当たり前だろうから2巻はまだわかるんだけど、それ以外はよくわかんないっていうか、要はハッピーエンドが好きなんだよ、私は!
「最終的にハッピーエンドだったじゃない。」
違うよ。あれはただのノーマルエンドだよ。トゥルーエンドですらないね。ハッピーエンドっていうのはこう、もっと理不尽なくらいに不可能が丸く収まることを言うんだ。
「そんな超展開、おもしろいの?」
少なくとも超展開っていう意味ならそもそもこのシリーズが超展開だよ。まぁ、いいや。話がそれたね。ええと、結局悠の感想は。
「ええ。『私は西尾維新を読んだ』。それだけよ。」
「まぁ、もう少しちゃんと書くなら、現実なのだかファンタジーなのだかわからないこの話の展開に引き込まれたってことなのかしら。」
結局、読んでる途中はあんまり意識しなかったけど、特にサイトウさんなんかは何したかったのかよくわかんなかったしね。
「戯言に惑わされたといった感じかしら。」
またかっこつけてるー。
あれ。まだ何かあるの?
「ええっと、上の感想は、主に戯言シリーズの感想なのよね。」
ああ、そういえば、他のも二冊借りてたね。
「カンクロウ・スケアクロウは普通?に面白いミステリだったわね。」
スケアクロウは置いといて、カンクロウはなんなのあれ、探偵の身体能力ってバリツが使える程度なんじゃなかったっけ。
「あら、以前、あなたもコズミックは読んでいたはずよね。」
いやまぁ、知ってるけどさ。アレが探偵でミステリならもうネコソギもミステリでいいんじゃないかって気分がしてくるよ。。
「カンクロウとスケアクロウはどうでもいいのよ。問題はもう一冊よ。」
あ、そういえば文庫版を読んだから、その二つは一冊なんだったっけ。
「問題は『ニンギョウがニンギョウ』よ…なんなの、あのエロ小説。」
はい?(゜-゜)
「なにがそんなに疑問なのよ。あんなに堂々と普通の文庫でエロ小説書くだなんて、作者は真正の変態に違いないわ。」
なにが疑問って、ごくごく単純に、どこにそんな要素があったよ。言い方が悪くて誰かに怒られそうだけど、なんていうか佐藤友哉から毒気やグロさを薄めて気軽に読めるような感じにした感じの話だったよね。
「いくらなんでも、他の喩を彼しか知らなくても、その表現は両者に対する冒涜ではないかしら。あのグロさとわけのわからなさが良さでしょう。しかしまぁ、三年位前かしら、読んだのって。鏡家サーガは一通り読んだはずですけれど、大分記憶があやふやね。読みなおそうかしら…読んだらどっと疲れる予感があるけれど。。」
あーうー、じゃあ、小さいころに、理解力が低いころに読んだファンタジーと同じ感覚、と言えばいいのかい。よくわかんないけれど情景が浮かんできて、よくわかんないけれど楽しいってやつ。ともかく、どこがエロいんだよ。居るかわからないけれどここを読んで興味を持ったり持たなかったりに悪い影響が出たらわたしゃやだよ!?
「どこがって…まず主人公以外が(まぁ、つまりは主人公の姉妹が)出ているシーンは全てエロいじゃない。特に熊の少女が出ているシーンはかなりの割合でエロいわよ。映画然り足然り脳髄然り、どのシーンもエロ描写よ。」
ごめん、さすがにわたしでもわかんない。どんな想像力だったらその結論になるのか皆目見当がつかない。
「そうね…一番分かりやすいシーンを挙げるなら、熊の少女の足を丹念に舐るシーンかしら。」
そういう言い方をしたらそう聞こえるかもしれないけど、決してそんなシーンじゃなかったよね??
「何を言ってるのかしら。このシーンを書いているとき作者はいたいけな少女に(中略)を想像しながらノリノリで書いたに決まっているわ。」
ええと。大丈夫?本の読み過ぎで知恵熱でも出た?
「大体最終章にしたって兎に鍵に穴に眼窩なんてメタファーにほどがあるわよ。ああもう、どう考えても変態じゃない。何を考えたらこんな本が出版可能になるのかしら。」
あー、あれか、妹が23人も出たから暴走してるのか、このシスコン。
「私にそんな趣味が無いと何度言ったらわかるのかしら。私は至ってノーマルよ!」
ええっと…ああ、もういうや、まとめるんも面倒になってきた。結局、結論は?
「『ニンギョウがニンギョウ』はどう考えてもエロ小説よ。妄想に妄想を重ねて書いたに違いないわ。」
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